ART CAMP 2022
いちはらアートミックス事業「TSUKIDE ART CAMP2022」
2014年に旧月出小学校を「みんなで作る学校」としてセルフビルドによるリノベーションを行い、アーツセンター「月出校舎 ARS TSUKIDE」を開校した。以後、この月出の森を舞台に、その場所の持つ固有性や地域に住む人たちとの交流を通じて「遊・学・匠・食」をテーマに、今から地続きの10年後の未来を多視点な角度から捉え、美術も、建築も、音楽も、デザインも、ダンスも、農学も、社会学も、生命研究も、分野や世代を超えて共振する場を作り、新しい世界観・知を創生することを目指してきた。事業の一つであるあーてィストインレジデンス・「TSUKIDE 1045」は私たちを取り巻く今の環境から、どのように持続可能な社会を作り始めることができるか、この月出の森から見つめ直すことを目的に、「月出アートキャンプ」を今夏から始動した。9月から約2ヶ月間に渡り5名のアーティストが、時には穴を掘り、木を切り、食材を採取するなど土臭いフィジカルな体験を通じて制作に挑んでいる。
この取り組みを通して制作された一連の作品は、展覧会「月出アートキャンプ2022」にて発表される。また会期中に参加アーティストによるサバイブなワークショップや食の会、パフォーマンスプログラム、アーティストリレートークも実施された。
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ヒトの根源的な営みを身体を用いて模索する
スイッチ一つで部屋が明るくなり、リモコンの操作で快適な室温に設定することができ、わざわざ薪で火を起こさずとも、天然ガスが瞬時に暖かい食事を提供してくれる。それは暖衣飽食で不自由がないという反面で、第三者のイニシアチブによって生活の自由が保障されているために、霞がかかったような見通しの悪さを覚えることがある。先進国においての現代の生活は生きることの全てが自分の手の届かない膨大なシステムの中に組み込まれているともいえる。その手に追いがたいシステムで生活する中、ある問いが生じた。
なんのために生きるのか、生きるために何をするのかという意義の問いであり、前者では自己表現を行う意識であり、後者は生物としての生命維持の方法である。生産的活動と消費社会の間で、あらゆる価値判断を強いられる文明に生きる我々にもその精神は根付いている。
ART CAMP TSUKIDE2022では、フィジカルな身体の運動を通して生きるための仕事、あるいは生きるための営みを見据えた実践的な活動を行なった。
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